動画やこのブログを始めてからというもの、正しい表現や言い回しで考えや思いを伝えようと腐心しております。
なので必然的に日本語の文法や表現、言葉の意味なんかも調べる回数は増えていきます。
以前にも日本語の表現について取り上げておりますが、しばらくこのネタは使えそうですw
今日はその中で気になった日本語のフレーズ”手作り〇〇”についてお話したいと思います。
現代において手作りという表現は成り立たない
まず手作りという意味を調べてみましょう。
一般的に手作り〇〇というと、
・手作り弁当
・手作りパン
・手作りアクセサリー
などなどいろいろありますが、割合と食べ物関係に多く見られる表現かと思います。
手作りのイメージ
食べ物、食品に多い理由としては手作りという表現が味のイメージを向上させる意味が含まれているからと思われます。
例えば同じ商品でも
『からあげ弁当 380円』より
『手作りからあげ弁当 380円』のほうが購買意欲はそそられると思います。
またイメージとして、あくまで私のイメージですが『手作りからあげ弁当』の字ずらから想像されるのは、気の良い母さんが一生懸命腕をふるって作ってくれた背景を想像します。
あくまで勝手なイメージですが。
このように手作りの表現としては商品価値を向上させる意味合いがあると思います。
手作りの意味を検証する
ここで手作りの意味を検証しましょう。
前述した意味では、
”他人の労力や機械の働きによらず、自分の手で作る事”
とあります。
この解説が本来の手作りの意味とするならば、本当の手作りと表現して良いシチュエーションは非常に限られるという事です。
まず解説の他人の労力という解釈は難しいので割愛しましょう。
ここを追求していくと例えばその手作り製品を産み出している、工場・会社・施設・あるいはノウハウなど全て他人の労力という事になってしまいますね。
全てを1から自分の手で行っている人で商売として行っている人は皆無と言っていいでしょう。
というよりこの時点で手作りと謳う事は出来ないと言ってしまってもイイと思うのですが、それではつまらないので話を進めましょう。
次に本題の機械の働きによらずについて検証していきましょう。
冒頭に登場した『手作りからあげ弁当』さんに再度登場いただきましょう。
それでは一般的な、からあげ弁当の製造工程をイメージですが検証してみましょう。
細かい部分まで載せると流石にウザすぎるのでだいぶ端折ってます。
〇ごはん部分
・米を洗い、炊く ←炊飯器(機械の働き)使用
〇メインおかず部分
・鶏肉を切り、味付け
・油で揚げる ←フライヤー、ガスコンロ(機械の働き)使用
〇サブおかず部分
・マカロニサラダを盛り付ける←冷蔵庫(機械の働き)使用
もっと細かいところまで突っ込めば未だイケそうですが、ご覧の通り機械の働き無くして、からあげ弁当は成立しません。
他の手作り製品も同じ状況ですね。
機械の働き無しにほとんどすべての商品は作ることができません。
厳密に手作りと表現していいのは、例えば野に咲く花でもって髪飾りを作った、手作り髪飾りくらいでしょう。
イメージが先行して本来の言葉の意味は置き去りに
私が言いたいのは別に手作りじゃないんだから手作り〇〇〇を名乗るなと言いたいわけじゃありません。
ただこのフレーズを使った人が本来の意味を理解しているのかなと思うだけです。
今回とりあげた『手作り』という言葉もそうですが本来持っている言葉の意味するところと実際に行われている行為の違い、ギャップの大きさについて、まだまだ探せば幾らでも出てくると思います。
揚げ足取りのようになるかもしれませんが、言葉の本質を理解することは大事な事だと思います。
手作りの付加価値について考える
またまた上記からあげ弁当に登場してもらいますが、仮に人の手が介在したとはいえ機械だのみの工程をふまえても『手作り』と定義しましょう。
手作りの反対は機会作りとなると思います。
ちょっとややこしいですが。
上記のからあげ弁当の工程を全て『機械化』してみましょう。
からあげ弁当の工程で大まかにもともと機械に頼っていた部分は
炊く、揚げる、冷蔵するです。
残る部分は
切る、味付け、盛るくらいでしょう。
この部分を機械化したところでおそらくからあげ弁当そのものの味には影響が無いと思います。
むしろ機械に任せることにより、大きさ重さの均一化、味つけの安定化など品質が安定する事でしょう。
このように仮に『手作り』という表現を機械頼りで成し遂げたとしても、対義の機会作りに勝っている部分、付加価値は残念ながら見受けられないと思います。
なのに『機械作りからあげ弁当』という表現を全く見ないのは、日本語本来の意味よりイメージが優先されるからだと思います。
イメージって大事ですよね。