さいのじ@サイドイレブン

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タミヤ 1/48タイガーⅠ初期生産型 製作記 小さいながらも魅力がギュッと詰まった名キット

今回は前回のⅣ号戦車に引き続き同じドイツの重戦車、タイガーⅠの製作記をお送り致します。

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動画も先日公開しておりますのでご覧ください。

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それでは製作記まいりましょう。

1.開封~組立て

このタイガーⅠに限らない事だけど1/48のボックスアートというか箱の意匠がたまらんですよね。

ボックスアート以外の部分がブラックアウトされていて、左下には商品を強調した極太ゴシックのフォントがお出向かい。

この1/48は手に取る喜びも感じられます。

今回なぜタイガーⅠにしたかというと、前回作ったⅣ号戦車が凄く良かったのでドイツつながりでタイガーⅠに下部分が大きいです。

この1/48MMどこまで行けるかわからないですが、可能な限り手に入れて制覇したいと思ってるのがささやかな目標です。

箱を開封して手ごろなボリュームのランナーに安心します。

例えばコレ1/35のドラゴン製品とかだと大量のランナーに開幕戦意喪失することも有りますが、1/48だとパッと開けた瞬間の安心感。

自分の考えとしては見えなくなるもの、例えばインテリアとかエンジンルームはオミットしても構わないと思います。

どうせ組んだら見えなくなるし。

それと履帯も1コマ1コマ組まなくても良いと思ってます。

要するに組み立てが苦痛にならなく、かつ適度な作業感を提供していただきたいと思ってるわけです。

その観点から言うと1/48シリーズはもう100点満点の出来。

ただこのシリーズはダイキャストシャーシやらウエイトやら、おもさで重量感を演出するという考えがあります。

コレについてずっと考えていますが、やっぱり理解が難しい。

そもそもウエイトで重量を増したところで誰が得をするのか。

持って見ておおーーとなるのかと。

基本的にスケールプラモデルって飾っておくものじゃないですか。

それをブンドド勢よろしくアクションするのが中にはいるのかもしれないけど考えられない。

つまりそういう層を満足させるニッチな手法がわりと理解するのが難しいです、という結論。

まあ入ってるものは仕方が無いし、文句言ったところでじゃあ辞めますともならないと思うので。

毎回毎回このウエイトを使わないのでもったいないなあと思った次第です。

今回はカラーリングの天啓は降りてこなかったので迷彩無しのプレーンなダークイエローでタイガーⅠのシルエットを堪能しようかと思います。

タイガーⅠの一番の難所千鳥配置の転輪。

おそらく地球上のすべての戦車の中でも随一の複雑さをもつ転輪だと思います。

Ⅳ号戦車が可愛く見えるくらい足回りは大変な事になっています。

Ⅳ号戦車の時は履帯を一体化して組む事が出来ましたが、タイガーⅠでは無理無理無理のかたつむり。

という訳でS組?と呼ばれる分割方式で行う事に。

コンパチキット故かバラの履帯5ピースがそれぞれ過剰パーツとして余ります。

勿体ないので砲塔サイドにラックを設けて履帯をセット出来る様にしました。

履帯は付けたり外したりできる様になっていますが、いささかラックが大仰になってしまったかもしれません。

1/48で何か加工、作ろうとするとスケールを考えると例えば3㎜角パイプを使ったとすると、実際では150㎜角相当になるのでスケール感を考えると使うマテリアルも考えなくてはいけません。

2.塗装編

今回は迷彩の無いプレーンなダークイエローに決めましたので、思い切って黒立ち上げしてみようと思いました。

エヴォの黒を全面に。

全てのパーツを黒に塗装したので、どうせウェザリングするしという事で転輪部分のブラックをこのサフエヴォを活かすことにします。

スケールモデルプラモデルの戦車キットにおいて何が一番めんどうな作業かというと転輪まわりの塗装にあると思うんです。

特にこのタイガーⅠは数ある戦車の中で最も転輪の数が多いキットであることは間違いありません。

この転輪のゴム部の塗装については色んな方法があると思いますが、前回Ⅳ号でも行ったカッティングマシンを使ったマスキング処理を引き続き行っていきたいと思います。

プラモデルの極意みたいなものが自分の中であるとしたら、再現性という部分に重きを置きます。

言い換えれば一発勝負みたいな事は方法として避けようと。

毎回毎回安定した出来にしたい。

そういう観点から見てカッティングマスキングは自分の中ではとても重要なファクターです。

つまりこのカッティングマスキングを駆使すれば安定して転輪まわりの処理ができる事になります。

最も量産するにあたっての最初の寸法だしがシビアではありますが。

0.1㎜単位で出力して実際に付け心地を確認します。

良かったら量産する訳ですが、中々難しい。

和紙タイプのマスキングにくらべこのPEタイプのシートは復元性があり、転輪とかホイール等の円に対しては追従性が高い方です。

戦車プラモデルを作るにあたっては転輪の塗分けは避けては通れないので、面倒くさがらず楽しんでやることが一番の近道だと思ってます。


苦労した甲斐あって綺麗に塗分けられました。

かなりシャープにエッジが出ています。

エナメルで同じような事をしようとするととても時間が掛かりますね。

自家製のダークイエローは黒立ち上げは難しい。

シャドーのエッジを残す様にすると発色しないというジレンマ。

かといって厚く吹くと黒立ち上げの意味が無くなるという。

ただ思うに黒立ち上げとかベース立上げって退色表現の一つだと思うんです。

なので全体にこの表現が均一になっているのはプラモデル的かもしれないけど、実物ベースで考えると違和感になるかもしれません。

実際の戦車なんかでもわざわざエッジだけ薄くなってるとか無いですし。

履帯も塗装して最終的にシャーシに組み込みました。

つなぎ目は起動輪の上と誘導輪の下の2カ所。

何とかうまく行きました。

カッチリ塗分けれた転輪をウェザリングで汚すのは痛ましい気がしますが。

このままだと工場出荷verですからね。

戦車を作るユーザーの90%以上はウェザリングを施すと思います。

3.タイガーⅠ初期生産型完成

毎回毎回同じような言葉しか出てきませんが、タイガーⅠ最高です。

マジで。

最高にカッコイイ戦車としか言いようがない、素晴らしいキットであります。

特にファット&ローで直線的に構成された武骨なシルエット。

トラディショナルドイツの最終進化系の境地がタイガーⅠであります。

リアル素材を活用

右舷に括りつけた木は、リアルガチ素材になります。

拾ってきた枝?になります。

実際のサイズだと5m以上の長さになりますのでなるべくまっすぐな部分を使用してます。

ソビエト車両だとデフォルトのように搭載されている丸太ですが、あまりドイツ系の車両には搭載されている資料が見当たらないので搭載してみました。

こういうマテリアルを吟味する時間もプラモデル製作の楽しみの一つ。

こういう戦車系はオリジナル要素を存分に楽しめるのも魅力です。

Ⅳ号戦車H型と比較

同一スケールのⅣ号戦車と並べてみた図。

車幅方向に大きく拡大されています。

とくに履帯の太さは車重の重さもあってか倍以上幅広です。

こうして隣り合わせで見てみるとタイガーⅠはⅣ号戦車の正統進化型ともいえるでしょう。

そういえばシュルツェン搭載型は見ないですが、整備性とトレードオフの結果なんでしょうか。

 

今回装軌車両としては2台目ですが、改めてタミヤ1/48の魅力を再認識させられました。

・低価格

・つくりやすさ

・高解像度

・手ごろなサイズ

こうして魅力をあげると隙が無いですな。

これからも1/48の魅力を取り上げて、微力ながらスケールモデルの発展の一助になれればと思います。