最悪なアクアショップがあります。
ひょっとしたらノンフィクションかもしれませんし、フィクションかもしれません。
その程度の話でシケた話です。
儲からない熱帯魚
熱帯魚を取り扱うショップがこの10年くらいで私の地域では猛烈に減りました。
大小合わせて生き残ってるところって全盛期の1/3くらいですかね体感的に。
背景には消費者のアクアリウム離れと言ったところでしょうが正確なデータは無いので主観、体感の話です。
考えてみれば1匹何万円もするディスカス、アロワナが売れればそれなりの売り上げも見込めるかもしれませんが、そんな高級魚ポンポン売れるとも思えません。
おそらく一番売れると考えられるのは、金魚、メダカ、熱帯魚でいうとネオンテトラ、グッピーでしょうか。
これらの良く売れるサカナの特徴としては、価格が安い、丈夫、比較的長生きと言ったところでしょうか。
よく売れる低価格帯のものが長生きされては生物学的見地からすれば宜しい事なんでしょうが、ビジネスとして考えた場合非常に効率が悪い事になります。
缶ビールや缶コーヒーと言ったものは低価格ながら毎日消費されるものだからビジネスとして成り立っている。
対する観賞魚はエサ金でもない限り自然に淘汰するスピードが年単位。
アクアショップってどうやって食っていってるのか不思議でたまりません。
例えば出張サービスとか、設置サービスとかレンタルなんかで各社工夫はしているとは思うんですが熱帯魚は他のペット同様、維持にそれなりの金が掛かります。
こうしてアクアショップがひとつ、またひとつと店を閉じて行った歴史があります。
うまれないイノベーション
アクアリウム、熱帯魚が廃れていると他に痛感できる点としてアクアリウム機器にあります。
毎年iPhoneの新商品はリリースされるのに対し、外部フィルターは何十年も前の設計のフィルターを新品として購入する状態。
ガラケーからスマートフォンへ、ガソリン車から電気自動車へ、各分野で切磋琢磨してる技術的イノベーションがアクア業界には微塵も無いと感じます。
新商品を出しても売れない>開発が出来ない>更に売れない。
と言った感じでしょうが、こう書いてて不思議に思ったんですがメーカーで働いてる人ってあおり抜きで何してるんでしょうかね。
現実を受け入れるしかないという事
アクアリウムを取り巻く情勢は厳しいと思いますし、今後さらに厳しさは増していくでしょう。
ひょっとしたらそう遠くない未来、メーカーもほんの一握りになり、販売店もネットでしか買えない状態が来るかも来ないかもしれません。
それはそれで仕方が無いことなのかもしれません。
かつての駄菓子屋しかり、ファミコンショップしかり、レンタルビデオ屋しかり。
淘汰されていくのは仕方のない事なのかもしれません。
なのでこうした現実を受け入れるしかない訳です。
最悪なショップとは
つまり、たとえ最悪な店であろうと生体、関連商品を買える数少ないショップであるわけで潰れてもらっては困るわけです。
悪いところは目を瞑りながらも利用するしかない・・・
ですが目も瞑り切れなくなった部分もあるのでここらで少しこぼそうと思います。
・半数以上が白点病が発生していたことも
あまり具体例を出すと嗅ぎつけられそうなので線引きが難しいですが・・・
酷い時には全水槽の半数以上が白点病が発生していたのを見たことがあります。
例えば丈夫で有名な「あの熱帯魚」でさえ、常時白点病を患っていて、とても売る気があるのは思えない。
可愛そうなのは熱帯魚たちで、おそらく売りに出される間もなく最後を遂げた事でしょう。
それもハンパな数じゃあないと思います。
子供たちが白点病を患い底に横たわり、或いは弱弱しく泳いでる、そんな魚を観てどう思うかですよね。
冒頭述べた通り何も不正を暴くとか、安っぽい正義感を振り回すとかっていう意図ではありません。
ただひたすら繰り返される現実なのかもしれないし、そうでないかもしれない。
・黒ひげゴケ水槽
まるで飼育物かのごとく水槽の正面ガラス以外に咲き誇る黒ひげコケの群生。
実に見事なもんです。
値段が書いてないので売り物で無いのが残念なくらい。
いっそポップをつけて置いたらマニアの人が買ってってくれるかも。
例えば、私がショップの店員だった場合、てんちょーウチの水槽どれもこれも汚ねぇーから綺麗にしておきますか??
くらいは言ったかもしれない。
この場合黒ひげコケ水槽の顛末としては
・黒ひげコケを理解はしているが皆見て見ぬふり。
・水槽は綺麗にしておけと指示は出てるが現場レベルの怠慢。
・誰かがやるであろうから放置。
・あえてどこまで成長するかやってみねの感覚。
・そもそも黒ひげが趣味。
思いつくところでこんくらいかと思われます。
にほんの縮図をみた希ガス
このあるか無いかわからないアクアショップに現在の日本の縮図を見たような気がします。
誰かが少しでも努力すれば済む話なのに、誰もしない。
せめて取り繕うという気さえみせず開き直りすらする。
ただ当ても無く働いているだけ。
何だろうなー。
この無気力感というか無指向感というか。
ひたすら大なり、小なり身の回りにはびこっている感じがあります。
これが時代なのかもしれません。
かつてラジオ人生相談の方のセリフとして
変えられないものは受け入れるしかない
とのセリフが思い起こされます。